2011年度の記録

2012年1月26日 16:00--17:50

講演者及び題目
第一講演
16:00?16:50
講演者:岩橋 歩 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目:空間依存性をもつ反応拡散方程式の一般化されたフロント解の構成

第二講演
17:00?17:50
講演者:中澤 宗太 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目:$L1$の外力項を持つ $n$-Laplace 方程式の解のBMO正則性について

2012年1月19日 16:00--17:50

講演者及び題目
第一講演
16:00?16:50
講演者:神林 直矢 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目:多重連結領域における定常 Navier-Stokes方程式の解の漸近安定性

第二講演
17:00?17:50
講演者:高橋 秀典 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目:一般の非有界領域における Navier-Stokes 方程式の弱解の一意性

2012年1月12日 16:00--17:50

講演者及び題目
第一講演
16:00?16:50
講演者:益子 友希 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目:Coriolis力付き Navier-Stokes 方程式の時間周期解の存在と安定性

第二講演
17:00?17:50
講演者:千頭 昇 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目:圧縮性Navier-Stokes-Poisson方程式の局所 解の正則性と挙動

2011年12月15日 16:00--17:30

講演者
中川 和重 氏(東北大学大学院 理学研究科)
題目
On the Phragm\'en-Lindel\"of theorem for $L^p$-viscosity solutions of fully nonlinear PDEs
要旨
本講演では完全非線形2階楕円型偏微分方程式における $L^p$-粘性解の Phragm\'en-Lindel\"of の定理について考察する. はじめに,粘性解について定義し,主結果である Phragm\'en-Lindel\"ofの定理について非有界領域でのABP型最大値原理に触れて紹介する. 本研究は小池茂昭氏(埼玉大学)との共同研究に基づく.

2011年12月1日 16:00--17:30

講演者
工藤 正明 氏(東北大学大学院 理学研究科)
題目
ある半線形放物型方程式の法双曲的不変多様体上の解の挙動
要旨
小さい拡散係数をもつ単独の単安定型半線 形放物型方程式に斉次Neumann境界条件を課した 初期?境界値問題を考える.2008 年にBates, Lu, Zeng は, この問題に対し, 境界上の一点の周りに分布が集中するような函数の族からなる法双曲的不変多様体を構成した. このような解はスパイク解と呼ばれる.この半線形放物型方程式は, 初期値に依存して, 自明な安定定常解に収束することもあれば, 有限時間で爆発することもあり, また, 複数の不安定な定常解をもつことが知られている. したがって, 解の挙動は非常に複雑になり得る. 本講演では,彼らによって構成された不変多様体上でのスパイク解の挙動を考察する. 特に空間次元が 2および3 の場合について, 領域の境界の平均曲率函数の臨界点近傍においてスパイクの運動方程式の漸近展開を求め, その系として, 定常解の存在,非存在について得られた結果を述べる.

2011年11月25日 16:00--17:30

講演者
松村 昭孝 氏(大阪大学大学院 情報科学研究科)
題目
粘性気体の方程式系に関し、エネルギー法で出来ること二題
要旨
粘性気体の方程式系の時間大域解の 漸近挙動について、種々のエネルギー法を 用いて最近得られた2つの話題について 紹介する.1)空間多次元の等温モデルを考察し、 一様に流体が真空に漸近してゆく状況に 対応するある非有界特殊解の漸近安定性を 特性曲線に沿う変数変換と時間重み付き エネルギー法 との組み合わせで示す. 2)空間一次元の等エントロピーモデルを考察し、 粘性係数が密度に物理的に巧く依存する場合には、 任意に大きな進行波解が平均ゼロの初期擾乱 に対し漸近安定であることを、2段構えの 重み付きエネルギー法で示す.

2011年11月10日 16:00--17:30

講演者
小林 孝行 氏(佐賀大学理工学部)
題目
Stokes 半群の重み付き評価とNavier-Stokes 方程式への応用
要旨
全空間、半空間、摂動半空間、 外部領域における Navier-Stokes 方程式について、 解の空間に関する重み付き Lp 評価を考察する.全空間、半空間については、Stokes 半群の 斉次および非斉次の重み付きLp-Lq 評価、摂動半空間、外部領域については 非斉次の重み付きLp-Lq 評価を考察し、 Navier-Stokes 方程式に応用する. 本研究は、筑波大学の久保隆徹氏との共同研究である.

2011年10月27日 16:00--17:30

講演者
足立 匡義 氏(神戸大学理学部)
題目
On Avron-Herbst type formula in crossed constant magnetic and time-dependent electric fields
要旨
定磁場に直交する2次元平面内にある1体量子力学系を支配する Hamiltonianは、考えている粒子が荷電自由粒子である場合、 Landau Hamiltonianと呼ばれ、そのスペクトルは、Landau準位と 呼ばれる多重度無限大の固有値だけからなることが知られている. その平面に一様電場(時間に依存していてもよい)を印加すると、 荷電粒子のサイクロトロン運動の回転中心に、ドリフト運動が生じる. このような系を支配するHamiltonianによって生成される時間発展 作用素が、Landau Hamiltonianによって生成される時間発展作用素と、 前述のドリフト運動を表現するユニタリー作用素との積で表されること (Avron-Herbst型の公式)を紹介・キるのが、この講演の目的の一つ である.特に、平面内の定ベクトルをある振動数で回転させたものが 印加電場として与えられたとき、その振動数が0(定電場)、あるいは サイクロトロン振動数である場合には、中心力ポテンシャルによる 散乱問題は考えるに値するものになることが、このAvron-Herbst型の 公式によって示唆される.そのことを、実際に波動作用素の存在を 示すことによって見る.この講演の内容は、川本昌紀氏(神戸大学) との共同研究に基づくものである.

2011年10月20日 16:00--17:30

講演者
菅 徹 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目
Imperfect bifurcation for the Liouville-Gel'fand equation on a perturbed annulus
要旨
2次元の円環状の領域における指数型非線形項を持つ楕円型方程式の 解の分岐構造を考察する.特に円環領域から領域を摂動させた場合、 分岐構造に位相的な変化が現れる(不完全分岐と呼ばれる)ことを示す. この研究内容は東京工業大学の宮本安人氏との共同研究に基づく.

2011年10月13日 16:00--17:30

講演者
津田谷 公利 氏(弘前大学理工学研究科)
題目
Global existence of solutions of the wave equation of Hartree type
要旨
この講演では空間3次元における ハートリー型波動方程式の初期値問題を考える. 初期値およびポテンシャルの空間無限遠方での減衰 を仮定する.通常のハートリー型についてはどのような条件の下で小さな初期値 に対して古典解が時間大域的に存在するか,あるいは有限時間で爆発するかが知られている. ここでは一般化されたタイプについて同様の結果が成り立つための条件を紹介する.

2011年10月6日 16:00--17:30

講演者
藤嶋 陽平 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目
Blow-up set for a semilinear heat equation with exponential nonlinearity
要旨
本講演では指数型非線形項を持つ半線形熱方程式の爆発問題を考える. 特に, 拡散係数が十分小さい場合に解の爆発集合の位置の特徴付けを行い, 拡散係数が十分小さい場合には解が初期値の最大点近くでのみ爆発することを示す. また, 一般の非線形項を持つ場合の解の爆発集合の位置についても述べる.

2011年8月4日 16:00--17:30

講演者
鈴木 友之 氏(神奈川大学工学部)
題目
Regularity criterion in terms of the pressure in Lorentz spaces to the Navier-Stokes equations
要旨
Navier-Stokes方程式の弱解の正則性を圧力の仮定の下で証明する. 圧力がスケール不変な空間に属する場合を考察するが, 従来のLebesgue空間 ではなくLorentz空間に基づく空間を扱う. 特に, 時間変数に関してLorentz空間であれば自己相似解と同じオーダーを 持つ解を扱うことができる.

2011年7月21日 16:00--17:30

講演者
中山 まどか 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目
ヒドラの結合基・受容体モデルの定常解の構成について
要旨
ヒドラとは、進化的には非常に古い水棲生物で、強い再生能力を持つため、 発生再生研究のモデル動物として多くの研究がなされてきた. 40年ほど前,ヒドラの頭部再生実験を説明するために, 拡散誘導不安定化の考えに基づいた活性因子と抑制因子という 二つの拡散性物質からなる反応拡散系が提唱された. これは,細胞の分化を促進する活性因子と呼ばれる仮想的な 化学物質の濃度分布がつくる空間パターンによって, 現象を説明しようと云うものである.近年、W.Jager et al. (1995) により生物学的に妥当な数理モデルとして, 細胞膜上に固定された受容体に上皮細胞で分泌された拡散性化学物質(リガンド・結合基) が結合すると細胞の変化が開始されると云う考えに基づいた結合基ー受容体モデルが提唱された. このモデルでは、受容体は拡散しない. 特定のリガンドが結合した受容体の密度分布のパターンにより, 頭部が形成される場所が決められると解釈する. 本講演では,Marciniak-Czochra が2010年に考案した、リガンドの生産率を考慮した結合基ー受容体モデルについて, パターン形成の可能性の観点から (1) 初期ー境界値問題の解の挙動,特に,定数定常解に収束する初期値の範囲, (2) 単調増加な非定数定常解の構成, および(3)単調増加定常解の安定性の問題に関して考察する.

2011年7月14日 16:00--17:30

講演者
町原 秀二 氏(埼玉大学教育学部)
題目
Time local and global existence for Chern-Simons-Dirac equation in onespace dimension
要旨
分数量子ホール効果や高温超電導を説明する方程式系である Chern-Simons-Dirac方程式(CSD)を今回は数学的興味から空間1次元で考察する. 初期値問題の時間局所適切性および時間大域適切性を求める. 方程式の構造として2次の非線形項を持つ非線形Dirac方程式と比較することができるが CSD特有の性質を紹介して定理の証明への応用を説明したい. 本研究はBournaveas氏、Candy氏との共同研究による.

2011年6月30日 16:00--17:30

講演者
物部 治徳 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目
アメーバ運動に関連する自由境界問題の解の挙動について
要旨
梅田民樹氏(神戸大)により提唱されたアメーバ運動 に関連する自由境界問題を扱い, 古典解の存在と挙動について考察する. アメーバ運動を行う細胞の中には, ケラトサイトなど円の形を 安定とするものが多く存在する. 本講演では, 球対称性を仮定し, ある定常解の近傍で局在する大域解の存在について考察する. また, 初期領域を十分小さくとる場合, 一点に領域が退化する 爆発解の存在も同様に考察する.

2011年6月23日 16:00--17:30

講演者
小川 知之 氏(明治大学先端数理科学研究科)
題目
3変数反応拡散系の多重臨界点とそのまわりのダイナミクス
要旨
Activator-Inhibitor系において、 Inhibitorの時定数が大きいときにはInhibitorはActivatorに対して 大域的な(負の)フィードバックを与える因子と考えることができ、 従って系がActivatorだけの(しかし非局所項をもつ)方程式に帰 着することができる. このようにして、Turing不安定化の別の見方をすることが 可能である.このアイデアをある種の3変数反応拡散系に適用する と、同様に非局所項をもつ2種の方程式もしくは1種の方程式に帰着することが可能である. これにより説明される分岐現象のいくつかを紹介したい. ウェーブ不安定化と呼ばれる空間非自明なパターンへのホップ分岐もそのひとつとして知られる. 一方、0-1-2モードの3重退化分岐が起きる状況も作り出すことが でき、これにより豊富な解のダイナミクス・ェ生まれる. 系にある種の対称性を仮定して3次の標準形を導き、 そのリミットサイクルやヘテロクリニックサイクルなどを調べる. なお、これは関西学院大学理工学部の奥田孝志氏との共同研究に基づく.

2011年6月16日 16:00--17:30

講演者
菱田 俊明 氏(名古屋大学多元数理科学研究科)
題目
Resolution of the Stokes paradox by the rotation of bodies in the plane
要旨
2次元外部領域での非圧縮粘性流体の定常運動を考える. 流れを障害する物体が静止しているときのこの問題の困難は 平面の無限遠方での定常解の漸近挙動の解析にあり, このことは Stokes の paradox により説明される. 物体が並進するときに この paradox が解消されることは, よく知られている. 本講演では, 物体の回転によっても解消されることを示す. また, Stokes 流の漸近形から, 物体の回転に伴って流れも 回転する様相を見出す. 3次元以上の球面から任意のリーマン多様体への定数でない 滑らかな調和写像は不安定であることが Xin によって示されている. 言い換えると調和写像に付随する Jacobi 作用素の最小固有値が負になる. 本公演では定義域と値域が同じ次元の球面の場合の Jacobi 作用素の最小固有値の評価について考察する. また球面へ値をとる特異性を持った調和写像の解析への応用についてもふれる.

2011年6月2日 16:00--17:30

講演者
中島 徹 氏(静岡大学工学部)
題目
調和写像の不安定性について
要旨
3次元以上の球面から任意のリーマン多様体への定数でない 滑らかな調和写像は不安定であることが Xin によって示されている. 言い換えると調和写像に付随する Jacobi 作用素の最小固有値が負になる. 本公演では定義域と値域が同じ次元の球面の場合の Jacobi 作用素の最小固有値の評価について考察する. また球面へ値をとる特異性を持った調和写像の解析への応用についてもふれる.

2011年5月19日 16:00--17:30

講演者
北 直泰 氏(宮崎大学教育文化学部)
題目
複素係数を非線形項に含むシュレディンガー方程式の爆発解
要旨
非線形シュレディンガー方程式(NLS)の初・値問題を考える.通常は非線形項に含まれる係数 λ が実数の場合を考察することが多いが、ここでは λ が複素数の場合で解の振る舞いに関する諸結果を紹介する. 光通信の分野では、ファイバー内を伝搬する際の光信号減衰が悩みの種であった.しかし、現在ではエルビウム元素をドープしたファイバーの増幅作用(EDFA)を利用して、弱まった光信号の増幅に成功している.この増幅作用を取り入れたモデルが λ に正の虚部を取り込んだ NLS である.  セミナーでは、既存の結果にいくらかの拡張を盛り込みながら、 (1) Im λ < 0 (エネルギー損失有り)の場合で解の減衰評価 (2) Im λ > 0 (増幅作用有り)の場合で爆発解の存在 を示す.

2011年5月12日 16:00--17:30

講演者
石毛 和弘 氏(東北大学大学院理学研究科)
題目
Asymptotic expansions of the solutions of the Cauchy problem for nonlinear parabolic equations
要旨
本講演は川上竜樹氏(阪府大) との共同研究によるものであり, 熱核に収束する半線形熱方程式を考え, 初期値に適当な可積分条件の下で解の高次漸近展開を求める一般的な方法を提示する. この方法は広範な非線形熱方程式に応用可能であり, 既存の結果との比較も行いつつ, その優位性について説明する.

2011年4月28日 16:00--17:30

講演者
山本 征法 氏(東北大学大学院理学研究科数学専攻)
題目
移流拡散方程式の解の正則性評価について
要旨
半導体デバイスの設計問題に由来する移流拡散方程式の初期値問題について考える. この方程式については, Lebesgue 空間の枠組みでの時間大域解の存在と減衰が知られている. 本講演ではさらに, 解の高階微分の減衰評価について述べる. この評価により, 解の空間に関する解析性を結論できる.